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今治謹製STORIES

今治タオルブランド「今治謹製」が織り成すストーリー

今治謹製 紋織タオルの生みの親、阿部さんとの思い出を語る

今治謹製 紋織タオルの生みの親、阿部さんとの思い出を語る

今治謹製の生みの親の一人でもあり、名付け親でもあるのがアベデザインプロ株式会社の代表だった阿部真三さん。残念ながら2016年に帰らぬ人となりました。阿部さんは今治を拠点に数々のデザインを世に出したデザイナーです。阿部さんとの思い出を初代今治謹製 紋織タオルの生みの親とも言える御三方(矢野紋織株式会社 代表取締役 矢野健二さん、有限会社スワモンショウ 代表取締役 諏訪文久さん、今治謹製 企画発案者であるスタイレム株式会社 部長 平井賢二さん)に語っていただきました。

※文中では会社名と名前は敬称略で表記しております。

今治謹製の世界観すべてに驚いた

平井:企画を相談したのは2002年頃。今治を切り口にした新たなタオルブランドを作りたいと阿部さんに相談したのが始まりでした。阿部さんが作った企画書を見たときのことは忘れられない。今治謹製というネーミング、日本古来の唐草模様と瀬戸内の渦潮をモチーフとした柄、そして木箱に入れるというアイデア、その世界観すべてに驚きました。

諏訪:阿部さんとは色々な仕事をペアでやらせていただきましたが今治謹製もその中のひとつ。阿部さんの案をかたちに落とし込むのが私の仕事でしたね。阿部さんのアイデアやニュアンスからいろいろなものができました。驚かせたい、という想いを常に持っていて今治謹製にもそれが表れていると思います。阿部さんとの最初の出会いは30年前。阿部さんが突然訪れてこられました。それからワクワクする仕事をたくさん一緒にやってきました。

矢野:阿部さんとはもっと深く知り合えたら、と思った矢先の訃報でとても残念。アベデザインプロと言えば今治ではとても有名な会社でした。阿部さんは巨匠でしたから、近寄りがたく、そして敷居が高く、最初は本当に緊張した。それでも息子ともども気に入ってくれた。スワモンショウさんとの出会いも含めて本当にありがたい出会いです。晩年、「もっと早く知り合えたらよかった」と言われたことが感慨深い。本当にその通りです。

手描きの妙、飽きない柄の完成

平井:先に述べた日本古来の唐草模様と瀬戸内の渦潮をモチーフとしたこの柄は手描きの妙と言うか、癖のある柄だけどすっと馴染むものになりました。

諏訪:手描きだからこそ温かみのあるデザインになったのだと思います。

平井:阿部さんは「飽きない柄ができた」と仰っていました。今でもこの柄の不思議な魅力を感じます。柄に対しても色に対しても当時まだまだ若造だった僕の意見に耳を貸してくれました。たくさん怒られたりもしましたが、それでもこちらの要望以上のことをしてくれた。そこに阿部さんの器の大きさを感じます。コピーライティングにしろ、デザインにしろ、本当に素晴らしいものを作っていただきました。

今治というタオル産地に対する思い

矢野:阿部さんは今治のタオルメーカー、各加工屋さん、全ての将来に対して考えておられた。例えばコストについても安く受けるのではなく、仕事の適切な価値をきちんと問屋さんに伝えることの重要性などを説いておられた。これは将来を見据えた考えであり、阿部さんのプライドにも起因するのかもしれない。

諏訪:本当にそうでした。同業者に対しても将来生き残っていくための考えを述べていた。常に先を見据えている方でした。ある意味では今治のご意見番のような存在だったかもしれません。

平井:確かに常に先を見据えた言動が印象的です。昨今の今治タオルの礎を築いた方と言っても良いかもしれません。

阿部さんが亡くなられたその後の課題とは

平井:柄のデザイン、コピーライティングもできて、さらにタオルの組織のことまでしっかりと理解した阿部さんのような人は今後なかなか出てこないかもしれません。でも分業でそれぞれの強みを生かして協力しあって阿部さんのお考えや想いを少しでも受け継いでいくことが今後の課題ではないでしょうか。

矢野:産地としてはこの今治もどうしても縮小していく。でも阿部さんが仰っていたように皆で協力してバランスを取りあえば前に進んでいくことができるはず。

諏訪:今は地場のデザイナーが育ちにくい環境なのが課題と思っています。地場のデザインを、地場の複数の会社で協力して、地場のブランディングを進めていく必要があるような気がします。一度ものづくりをやめてしまうと止まってしまいますから、例えば各社が一年に一回でも独自の柄を発表していくような文化を作るなどすれば良いのかもしれません。

対談を終えて

今治謹製の生みの親とも言うべき御二人とお話した懐かしい阿部さんとの思い出。阿部さんは今治謹製の生みの親であり、名付け親でもあり、そして今治全体のことを考えたご意見番でもある方でした。阿部さんが残した今治謹製ブランドをさらに育てていくことが今治へのさらなる貢献に繋がると信じ、それが阿部さんの想いを受け継ぐことであると思います。矢野さん、諏訪さん、ありがとうございました。阿部さんのご冥福をお祈りするとともに、改めてお礼申し上げます、ありがとうございました。

今治謹製 企画販売元 スタイレム株式会社 ガーメント事業部 LS Grp. 部長 平井賢二

Introduction

アベデザインプロ株式会社 前代表 阿部真三

今治を拠点にして数々のヒット商品を生み出した企画会社アべデザインプロ株式会社の前代表。タオルの色柄だけではなく、パッケージやコピーライティング、書に至るまで幅広く手掛け、その才能は未だ高く評価されている。

アベデザインプロ株式会社 前代表 阿部真三

取り上げられたタオル

今治謹製 紋織タオル

大ヒット・ロングセラー商品。今治で磨き上げられた匠の技。世界に誇れる心地よさを感じてみてください。

→今治謹製 紋織タオル