今年のクリスマスはどう過ごしますか？

● クリスマスの由来
「クリスマス（Christmas）」という言葉は、“キリストのミサ（Christ’s Mass）”が語源とされ、イエス・キリストの誕生をお祝いする行事として広まりました。
本来は教会で祈りを捧げ、家族で静かに過ごす日であり、“救いの光”が生まれたことを祝い、感謝する特別な日でした。

● なぜ12月25日なのか
キリストの実際の誕生日は記録に残っていませんが、古代ヨーロッパでは冬至の頃に「太陽の復活」を祝う祭りが行われていました。
太陽が再び力を取り戻す象徴の日が、当時の暦で12月25日。キリスト教はこの日を“光の誕生”と重ね合わせ、キリストの生誕日として定めたと言われています。

● クリスマスツリーの由来
クリスマスツリーによく使われる樹木で代表的なのは針葉樹の「モミ」です。モミの木は、一年中葉を落とさない常緑樹であることから“永遠のいのち”の象徴とされてきました。
もともとは北欧やドイツで、冬の寒さを乗り越えるための“生命のしるし”として家の中に緑を飾ったのが始まりといわれています。
ツリーの頂上に飾る星は、イエス・キリストの誕生を知らせた「ベツレヘムの星」を意味します。

● サンタクロースの由来
サンタクロースのモデルは、キリスト教の司教「聖ニコラウス」という、実在した人物です。貧しい家庭にこっそり金貨を投げ入れるという伝説が、靴下にプレゼントを入れる風習の始まりになったと言われています。
赤い衣装のサンタのイメージは、近代にアメリカで広まり、現在の親しみやすい姿へと形づくられました。

クリスマスの“本場”はキリスト教の起源に由来するヨーロッパですが、特にドイツがクリスマスマーケット発祥の地として知られています。
ヨーロッパなどでは、キリストの誕生を祝う宗教行事として、家族で静かに食卓を囲むことが大切にされてきました。
ごちそうには、七面鳥やカモ、ガチョウを丸ごとローストした料理が定番です。また、ドイツ南部では、クリスマスの時期に鯉を食べる習慣があるとのこと。シュトーレンを少しずつ味わいながら祝う文化も受け継がれています。

日本ではケーキやチキンを楽しむ華やかな食卓ですが、元々は家族で祈りと感謝を分かち合う時間だったことを知ると、食卓のひとときがより特別に感じられます。

ヨーロッパでは、クリスマスは家族や親しい人と静かに過ごす時間が中心です。
教会で祈りを捧げ、家でゆっくり食事を囲み、暖炉やキャンドルの灯りの下で過ごすのが一般的。
子どもたちはプレゼントを楽しみにしますが、全体として落ち着いた雰囲気が大切にされています。

一方、日本ではイルミネーションやパーティー、恋人同士で過ごすイベントとしての華やかさが目立ちます。
大勢でワイワイ楽しむのも素敵ですが、今年は少し立ち止まって、家族や大切な人とゆっくり過ごす時間を意識してみるのもおすすめです。