今治タオルブランド「今治謹製」が織り成すストーリー
昭和6年(1931年)に今治で創業された楠橋紋織株式会社。そこで企画担当として働く菅敏希さん。就職活動時に地元の今治で働きたいと願い、造船関係かタオル関係で悩んだ結果、楠橋紋織株式会社に入社。それ以来25年間、数多くのタオルの企画や生産に携わってこられました。菅さんに今治謹製への想いや、裏話、印象的なストーリーを聞いてみました。
私が担当になったとき、木箱入りの今治謹製はすでに有名で世の中に支持されているブランドでした。だから今治謹製の第6弾となるシリーズ「オーガニックタオル」の担当になったときは大変なプレッシャーでした。
ですが「考えられるベストなものづくりを行い、それにチャレンジするんだ!」という気持ちを奮い立たせて臨みました。実際にこれまで企画や営業など様々な立場で培った経験を生かして取り組むことができ、良いタオルが完成したと思います。
意外かもしれませんがやわらかいオーガニックコットンのタオルは作るのが難しいんです。加えてシンプルなデザインだからこそ難しい点もありました。
オーガニックコットンの特徴として、繊維の質感が均一ではないことが挙げられます。つまり個性が強い素材を相手にするということ。けっこう大変です。やわらかくて肌触りの良いオーガニックタオルを作るためのチャレンジを繰り返しました。織る、という観点では細くて均一でないオーガニックコットンならではの扱いが難しい。また、シンプルなデザインなので完成後のパイル(タオル表面のループ状の糸)の検品も難易度が高く実は大変です。
それでも私は「世の中に存在しないものを生み出したい」という想いを抱きながら日々取り組んでいます。なので今回はそのチャンスに恵まれましたね。お客様は多様な考え・ニーズを持っていらっしゃいますが、「こんなに気持ちの良いタオルがあるんだ!」と思ってもらえるようなタオルづくりを目指しています。
いつか学生時代の県外の友人に贈ってみたいです。地元(今治)の人はタオルが身近なので県外の友人に贈ってみて自分の仕事であっと驚かせたいですね。
弊社では織機の設定など、敢えて効率を犠牲にして丁寧に実施していることもあります。そのほうが生産の安定性が高くなり、結果的に皆様にご満足いただけると信じているからです。これもまた培ったノウハウの一部と言えると思います。他にもこれまでに培った織のノウハウをもとに模索してタオルづくりを追求していきたいです。他にも消費者の方々にはわかりにくい工夫を凝らしていることもたくさんありますが、妥協せずにタオルづくりに励んでいることを知ってもらえたらとても嬉しいです!
オーガニックコットンは人にも環境にもやさしい素材と言われています。そのため利用されるお客様や、身の回りの方々、お子様、お孫様といった人たちに喜ばれるやさしいタオル。ぜひギフトにも選んでいただきたいと思います。