今治タオルブランド「今治謹製」が織り成すストーリー
昭和6年(1931年)に今治で創業された楠橋紋織株式会社。日本有数のタオル産地である今治において、過去に昭和天皇が視察に訪れたこともある老舗メーカー。歴史・文化・伝統を受け継ぎ、美しく機能的なタオルを生産されております。代表取締役社長 楠橋功さんにタオル作りで大事にされていることや、今治謹製への想いなどを聞かせていただきました。
乱暴な言い方かもしれませんが、全ての人が気に入るタオルというものはありません。人によって最高品質の基準は異なります。つまり数多くのニーズがあります。千差万別とも言えるニーズを捉えることよりも、お客様よりも一歩先を考え、感動を生み出すワクワクするようなタオルを作りたい。
だから市場ニーズを調査したり、いろいろな声に耳を傾けることも大切ですが、自分たちがワクワクしながらタオルづくりをしていくことが重要だと思っています。
オーガニックタオルの生産を任せていただく前から、木箱入りの今治謹製のことは知っていました。重厚な木箱に入っている今治タオルということで有名でしたから。私も初めて目にしたときはびっくりしたことを覚えています。木箱入りということでタオルの格が上がります。
私は北海道出身なのですが、地元の親戚や友人にいつか贈ってみたいですね。木箱入りということできっとびっくりしてくれると思います。そして使ったときに感動してほしい。人の一生の中でタオルを使う時間はとても短いと思います。その短い時間を感動で積み重ねていけば、人生が変わるといってもよいかもしれません。
今治に居るとタオルがとても身近で当たり前の存在になっていますが、他の地域ではそうではありません。ここまでタオルが有名な地域はそう多くなく、だからこそ楠橋紋織のタオルや、この今治謹製シリーズなど、「今治にしかできないものづくり」を受け継いでいく必要があります。今治にしかできないものづくりを目指し、感動するタオルをどんどん世に出していきたいです。
そのために今治で働きたいと考えている学生や若い方の受け皿となる会社でありたいと思います。タオルメーカーで働くということは簡単なことではないかもしれません。一人前になるには10年かかるともいわれます。それでも生涯勉強、日々様々な気付きを得られる職業だと思います。